破綻理由
依頼会社は食料品販売を行っておりましたが、依頼会社代表者は営業譲渡を受けて業務を開始したため、譲渡会社はそれまでに30年近くの業務を行なっておりました。そのため店舗の老朽化がひどく、冷蔵庫などの什器備品が故障を繰り返すなどの状況であったため、修繕費用や新規設備の投資費用などが多額にかかるようになっていました。
また店舗周辺には競合店が増えてきたため、売上減少に歯止めがかからなくなっておりました。今後の営業の継続を危惧したため、当事務所へ相談に来られました。
当事務所の方針・対応
依頼会社代表者と話し合った結果、最終営業日を決めた上で、同日まで営業してもらいました。少しでも在庫を減らすため営業終了日までの数日間割引セールを行い、その結果、大半の商品を売り切ることができました。また混乱を避けるために一部の従業員を除き、従業員にはあらかじめ破産することを伝えず、後日、従業員全員を即時解雇しました。
その後、店舗内のリース物件などは返還しましたが、店舗内に設置されている冷蔵庫などの什器備品類が大量にあることから廃棄物処理費用の金額が多額に渡ることが想定されたため、結局、申立時には明け渡しを完了せずに、破産管財人に処理を引き継ぐことになりました。
結果
本ケースでは、破産申立時においては大量の什器備品が設置されており、多額の処理費用がかかることが想定されたため、破産管財人に任せることとし店舗の明け渡しは完了しませんでした。その後、破産管財人において迅速に家主と交渉の上明け渡しを進めていただくことができました。
その結果、破産申立てから7ヶ月程で手続が終了しました。また、売上金等を破産管財人に引き渡すことができたため、従業員に対して未払給与はなく解雇予告手当も全額支払うことができました。