事業の概要
相談者は、飲食業を営む会社の代表者であり、売上が好調であった頃には複数の店舗を経営しておりました。しかし、リーマンショックや競合店の増加などで売上不振となり、相談前には既に事業を譲渡しておりました。
しかし、会社を営業していた頃の金融機関の借入や滞納税金が残っており、また代表者個人としては金融機関の借入の保証債務がありました。代表者は事業譲渡後、自ら働いて金融機関へ返済を継続しておりました。
方針の検討
相談者は金融機関から一括弁済を求められたことから、当事務所へ相談に来られました。相談者は住宅ローンを支払っており、自宅を残したいという希望を持っておりました。そこで、相談者の現在の収入を確認したところ、代表者個人としての保証債務を圧縮すれば返済は可能と思われました。
そこで、弁護士から会社は破産をした上で代表者は個人再生の手続を取れば、自宅は手放さないで残せることを説明しました。相談者にはご納得いただき、会社は破産手続を、代表者は個人再生手続を取ることで受任いたしました。
破産手続・個人再生手続
会社の破産手続では破産管財人が選任され財産調査がなされましたが、会社が事業譲渡してから既に3年以上が経過していたため資産はなく、事業を行っていた間の経営についても特段おかしな処理をしていたわけではないため、異時廃止で終了しました。
代表者については自宅を残すために個人再生手続を取りました。会社の保証債務が大きかったのですが、保証債務等を大幅に減額した再生計画案を提出した上で、裁判所から認可を受けました。このように代表者は破産せずに、自宅を残して再生することができました。
まとめ
相談者のように経営していた会社の保証債務が大きくなっており、会社のみならず、代表者個人も破産しかないと思われる事案であっても、個人再生を選択することで破産をすることなく、自宅を残すことが可能となります。
また、現在は私的整理手続も充実しており、様々な選択肢を検討することができます。会社の破産や再建でお悩みの方は、当事務所へご相談下さい。